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事業報告

事業報告2010

本年度も09年度に引き続き、地域臨床部門、地域連携部門、地域研究部門の各部門において、下記の事業を実施しました。新しく付け加わった事業もあります。どの事業でも、学生の地域連携活動への積極的な関わりを推奨しています。

地域臨床部門

地域住民を対象に、"こころの健康"に関する心理学の立場からの講演を3回実施した。講演講師は本学心理学科教員が担当した。講演会終了後に、講師および本学学生・院生と一般参加者がフリートークできる交流の場を設定した。学生には講演におけるディスカッションや交流会におけるフリートークに積極的に関与させることで、机上では得られない実践的な心理学の学習の場を提供した。開催場所は、奈良マーチャントシードセンターであった。

2009年度に続き、心理学を学ぶ学生が心理学的知見を用いた社会的貢献を身近に体験することにより、自己のもつ問題意識を高めることのできる機会を設けた。それは地域の有する学生ボランティア・ニーズ(例:別室登校生徒への支援など)に応えることにつながるものである。2006~9年度にその土台を作り上げた学生ボランティアを必要とする関係機関との連携を、さらに強化・拡充した。参加学生はボランティア体験をレポートにまとめ、参加学生ならびに新たに参加する学生への教育的還元をはかった。

地域連携部門

本学の学生が、奈良大学の近隣地区で地域の小学校や公民館および住民と協力し、以下の活動を行った。
(1)「地域の連帯」と「まちづくり」に貢献することをめざし、学生たちが「歩いて発見隊」として、地域の小学校・公民館の子どもを対象とした活動を支援した。また、子ども達の地域への愛着・誇り・役割意識・環境意識を高める企画を立て、実施することで、地域住民間の交流ネットワークづくりの場をつくった。活動の成果をインターネットで発信した。
(2)地区内の「昔・いま・未来」の「姿」と「語り」を、量的・質的な社会調査活動とマルチメディアの利用によって記録し、(1)の活動に役立てた。

地域研究部門

奈良県下の多様な企業は今日、どのような企業経営上、事業運営上の問題を抱えているのだろうか。奈良県下企業の経営課題を探ることがこの事業の目的である。きわめて幅広いテーマではあるが、当面は業種、規模、地域を狭く絞らずに、この調査に協力してくれる個別企業からの聞き取り調査や、また代表者の講演会を開催した。こうした活動を積み重ねることによって、業種別、規模別、職能別の経営課題を明らかにし、同時にその解決方向についての示唆も探ってゆく。こうした調査や活動の過程に学生を参加させ、経営の現場感覚や経営者の問題意識に直接ふれさせることによって生の経営に接してもらう。このことは、経営の現実についての理解を深め、また学生自身のキャリア形成意識を高めるためにはきわめて有意義なことである。

今年度は以下の2点に絞り、地域連携教育研究センターによる奈良大学近隣地域の歴史情報のアーカイブ化事業をさらに進め、本学の教員と学生が、地域住民の協力を得て、近隣地域で社会調査を進めるための基盤整備を行った。(1)昨年度の博物館企画展示のための調査では着手することができなかった津風呂町阿弥陀寺の江戸時代以来の位牌や什物の金石文調査を学生とともに行い、昨年度行った墓地の石造物調査の成果と合わせて資料集を印刷した。(2)昨年度の博物館企画展示のための調査において、津風呂町のなかに平城小学校に農具を寄付した家があり、平城小学校には近隣住民の寄付した農具の多くが整理されないまま残されていることがわかった。これらの農具を学生とともに調査し、奈良市平城地区や吉野郡吉野町の暮らしぶりを伝える資料としてどのようなものがあるのかを明らかにし、今後、平城小学校で展示を行い、学校教育や社会教育に活用していく方法を計画した。

奈良大学を含む近隣地域についての基本的な知識及び「地域」について幅広く勉強していくための機会として、研究会を開催した。学生や近隣住民の参加を積極的に呼びかけている。