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授業紹介

[社会調査実習(二)] 《質的調査手法を学ぶ》調査対象と“ラポール(信頼関係)”を築き、どれだけ情報を引き出して整理できるかがポイント。

喫茶店をテーマに、調査スタート

「今年のテーマは、『喫茶店』。普段、みんなが利用するカフェではなく、昔からある学生街の喫茶店を調査してみよう」

この、社会調査実習Ⅱでは、「質的調査」と呼ばれる手法を実習を通して学ぶ授業です。先生から提案された『喫茶店』というテーマの中から、何かおもしろそうな研究対象を自分で見つけ、調査対象者にインタビュー(聞き取り)を行います。そこから得られた言葉・会話をそのままデータとして使用し、その文脈や構造を分析する「質的調査」の手法を経験します。

「喫茶店って、あまり利用しないなぁ」
「JAZZ喫茶っていうのを、親から聞いたことがある」

調査に行く前に資料や書籍、両親や祖父母から聞いた話をもとに、自分たちなりの「喫茶店研究」のイメージを膨らませ、仮説を立てていきます。

「喫茶店をテーマに選んだのは、訳があります。地域に密着した喫茶店の経営者(店主)は、学生たちの親御さんの年代にあたる方も多くいらっしゃいます。現代社会では、こうした違う年代の方とふれあい、コミュニケーションを図る機会が少なくなっています。実習を通し、こうした方から自分の知らない歴史的背景を聞くことで、ジェネレーションギャップを埋めることも大切だと考えているからです」

インタビューする側の力量も問われる

いよいよ、現地での調査の日。先生と学生たちは、多くの喫茶店が営業している学生街へ出かけていきます。街には、多くの喫茶店、食堂などが建ち並んでいます。学生たちは、周りの状況を確認しながら、自分の調査目的にあわせ、どの店に入るか、そこで誰にインタビューするのかを決定していきます。

「入りづらいな。上手く聞けるかなぁ」

そういいながらも、喫茶店に飛び込んでいきます。学生たちはこうして調査した結果を「フィールドノート」にまとめていきます。

「質的調査は、インタビューで得られた言葉・会話をそのままデータとして使用し、文脈を読みとっていきます。どれだけ、情報を引き出せるかといったインタビューする側の力量も問われます。つまり、調査する対象者が同じであっても、誰がインタビューするかで違う内容を引き出す可能性が大いにあります。この聞き出す力というのは、将来、どんな職種に就くことになってもとても役に立つことだと思います」

相手のコトバを引き出し、冷静に分析する力

先生は言います。
「以前、ベトナムで調査研究をしたときに、ベトナム戦争の後に難民になった方にインタビューしたことがあります。その時、この方のコトバに圧倒されました。私自身、聞き手として、その重さに対処できないほどでした。この対象者の方と、"ラポール(信頼関係)"を築くことができたから、こうしたコトバを引き出せたと思います」

質的調査では、インタビューで得られた内容を、その人個人の問題にせず、その中からかけがえのないもの、または普遍的なものを選び出して結論へと導いていきます。複数のインタビューからの共通項をまとめていく場合もあります。
そして、最後には、各自の調査結果をプレゼンテーションします。他のメンバーがどんな発表をするかも、大きな楽しみとなります。

「いずれにしても、さまざまな世代の人にインタビューし、社会の変化を知り、理解していくことは、これからの人生に重要な意味をもっています。何も知らなければ、何も聞くことがでません。そうなると、自分の意見も言えなくなってしまいます。実社会では、こうした、自分で問題点を見つけ、意見をのべて解決するという力が求められます。だから、今この実習でその力を養うのです。
みなさんそれぞれが、自分の人生の主役なのです。私たち教員が、みなさんが調査研究しやすいように、調査フィールドに"ラポール"を築くように努めていきますから、恐れずに、チャレンジしてください」

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